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【なんくるないさぁ】文化部 編集委員・小山裕士 夫婦で沖縄移住…まさかの離婚(産経新聞)

 東京から沖縄へ移住して十数年が経過したK子さん。当初は順調だった南国暮らしだったのに、50代を目の前にして、このところ立て続けに激変に見舞われている。

 元々は山梨県の生まれ。高校を卒業後、東京の短大へ進み、遊び盛りとあって、ちゃっかり専門学校に居残ることにした。そこで出会った男性、のちの夫がまさに運命の人。大阪で生まれ育った人だが、両親が沖縄出身。ほれた相手の影響ですっかり沖縄フリークになり、しぶる夫のお尻をたたくように夫婦で沖縄へ移住した。

 東京では会社は違えど夫婦そろって編集者として雑誌作りの仕事をしていた。沖縄では“県産本”という言葉が使われるように、中小ながら出版業が盛んだ。K子さんも運よく那覇市の出版社に職を見つけ、遅ればせながら夫の方は細々とライター業を始めることになった。

 今となっては沖縄ブームの火付け役ともいえる名物夫婦だったのだが、世の中、何が起こるかわからないものだ。互いに沖縄ライフを堪能していたはずなのに、いつのまにかすき間風が吹き始め、2年ほど前に熟年離婚するはめになってしまった。

 理由は両人のみにしか知る由も無いが、居酒屋仲間からは「だんなが浮気でもしたのか」「いや、K子さんに何らかの不満がたまっていたようだ」とヒソヒソ話が交わされることになった。

 話し合いで納得したこととはいえ、いずれにせよこの年で2人とも大きなショックを受けたのは、筆者にもわかるほどで、元夫の方はげっそりやせこけて心療内科に通い、K子さんも神秘的なお告げに興味を持つようになった。K子さんの親友の女性によると、「家まで車で送っていったあと、部屋の明かりが消えるまで見届けないと、自殺でもするんじゃないかと心配した」というほどだった。

 さて、両者とも人生の半分が過ぎてこんな大波が来るとは思っていなかったはずだが、年月は着実に心を癒やしてくれる。50歳を超えて1人暮らしとなった元夫は、3食をきっちり自炊することで生活のリズムを取り戻し、たまにブログをのぞくとけっこう元気そうなコメントが書き込まれている。

 一方のK子さんの方は会社勤めだから、ある程度安定した生活が取り戻せたと思っていたところ、昨年末になって、いきなりこんな電話がかかってきた。「思い切って会社を辞めて、料理学校に通うことにした。居酒屋を始めるつもりはないけど、50歳を前にした手習いもいいんじゃないかな」

 沖縄をきっかけに結婚し、沖縄移住の末にまさかの離婚…。これで2人がどこまでも落ち込んでしまったら、同情の言葉も無いが、どうやら「なんくるないさぁ」と言えそうな雰囲気だ。

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